社会人(看護師)になってからの語学留学はアリ?


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英語を勉強したい看護師さん多いですね

最近、英語を勉強したいという看護師さんが皆さんの周りに増えてきたのを何となく感じませんか?先日お会いした転職エージェントの社長さんも、最近語学留学したい看護師さんめちゃくちゃ多いです!と力強い口調で言われていました。

  • オーストラリア、アメリカで看護師資格を取りたい
  • 途上国でボランティア活動をしたい
  • 日本の病院を受診する外国人の患者さんと英語コミュニケーションをとりたい
  • 海外旅行を楽しみたい
  • 女磨きとして英語という特技を身につけたい

理由は様々ですが、英語に興味があるという看護師さんの声は私も実際よく耳にします。看護学生さんの中でもそうですね。私は看護学校で国際看護の非常勤講師をしておりますが、「国際協力まで考えられないけどとりあえず留学はしたい!」という学生さんが、40人クラスに2〜3人はいます。

看護師になってからの留学はアリ?

そこで、英語に興味のあるそんな看護師さんたちが気になるのは、看護師になってからの留学ってアリなの?という点です。英語の語学留学というと夢いっぱいの大学生というイメージがありますが、社会人、ことに看護師の語学留学はアリなんでしょうか?

アリかというのは、常識的か、批判されないかという意味の疑問ですね。

人手不足の病院を抜けること、一気に大金を使うこと、収入が途絶えること、恋人と離れること・・・いい大人の看護師が留学をすることは必ずしも誰もが手放しで誉め称えることではないかもしれません。

しかしアリかナシかというと、私の回答は絶対アリです。私は途上国での医療ボランティア活動を志してから、看護師7年目で病院を休職し夫を置いて単身渡米。ホームステイをして語学学校に5ヶ月通い、見事英語が話せるようになりました。

今回は、看護師になってからの語学留学はアリ?という質問にお答えしていきましょう。

回答者は私です
Nurse Very運営者 安江夏希(看護師)

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留学したい看護師さんのよくある心配

1.語学留学ってだいたい学生じゃないの?浮かない?

語学留学というと、夢いっぱいの若い大学生がするものという印象がありますが、実際はそうではありません。私が留学した時、周りはほとんどが大学生以上の大人でした。

日本人留学生の中で多かったのは、海外展開している会社の社員が、海外派遣前に会社の指示で留学してきているパターンです。あとは経験のため、視野を広げるためという25〜40代の男女。大学生は2割くらいでしたでしょうか。

また、サウジアラビアの留学生は、国内エリートたちが政府の指示で家族で留学してくるパターンがほとんど。もちろん必要な費用は全て国が援助します。現地で受診する歯医者の費用も出してもらえるし、サングラスは支給されると話していました。

もし年齢のせいで浮くのではないか?と気にしている方は、全く心配無用です。特にそういった心配をするのは協調性を重んじる日本の文化なので、ひとたび海外に出てしまえば悩みは消滅するでしょう。

2.お金は足りる?やっていけるの?

留学費用も気になる点ですよね。ひとつの目安として紹介しますが、私の場合は、5ヶ月強の学校とホームステイの費用、渡航費で150-170万だったと思います。どう感じられましたか?私はその金額以上の価値があったと感じていますよ。

ちなみにもっと安い学校もありますし、安いアパートを友達と一緒に借りる方法で費用を抑えることも可能です。

この費用以外にも買い物したり食事に行ったり結構使ってしまいましたが、帰国後に通帳を見て焦るようなことはりは全くありませんでした。もちろん通帳の金額は減っているのですが、将来への期待の方が大きく、良い投資だったと思えました。

病院や施設によって給料の差があるとはいえ、看護師なら気にしなくて大丈夫ではないでしょうか。今までに仕事を辞めたり大きなお金を使ったことがないと迷うのは当然と思いますが、お金は貯めるためにあるわけではなく、必要なものと交換するためにあります。必要なところに使われてこそお金の本当の価値が発揮されるものです。

結婚資金や老後の心配をするのはまだ早いでしょう。今やりたいことをやらずに結婚や60歳を迎えたときの自分は、納得のいく自分ですか?

3.病院を辞める(休む)ことはどう思われる?

正直、納得のいく説明は必要でしょう。どの病院も人手不足でみんなぎりぎりの状態で働いていますから、直接病院の利益にならない語学留学は理解を得るのは難しいところです。

私は途上国で医療をしたいという目標があったので、英語の必要性と目標達成までのプランを師長さんに説明させていただきました。また、退職してもいいと思っていたのですが、病院側は休職でいいので必ず復職してほしいという希望を提示されたので、戻ることをお約束して留学しました。

大事なのは、自分がやりたいことだけを一方的に主張するのではなく、必ず相手の希望も聞いて程よい落とし所を見つけるということです。スタッフを一人教育するのには大変な苦労とお金がかかっています。その恩を決して忘れてはいけませんし、わかっていることをアピールするべきです。

私のように休職して戻るなら、留学することが自分のためだけでなく病院のメリットでもあると伝えられるといいですね。例えば、日本に住む外国人が多くなってきていることは事実ですので、外国人の患者さんへの手厚い看護につながることを説明しましょう。数字のデータがあるとなおいいです。

学んだ英語をどう生かすのか、正直な所「楽しみたい!」という理由だったとしても、この際に何かその先のビジョンを考えてみてはどうでしょう?理由は後付けでもいいんです。きっとあなたの留学はもっといいものになると思いますよ。

4.恋人や家族と離れるとどうなの?

夫婦の関係

いつもいっしょにいる恋人や家族と長期間離れるとどうなってしまうのか、想像ができないと不安ですよね。ちなみに私は結婚3年目で夫をおいてアメリカに単身留学したのですが、約半年の間ほとんど連絡を取り合うことはありませんでした。寂しいと思うことは一切ありませんでしたねw 夫もそうだったようです。意外とそんなものですよ〜。

簡単に無料でスカイプができますが、逆に半年連絡とらなかったらどうなるんだろう?という楽しみもあって、敢えて連絡しなかったというのもあります。

もともと毎日細かい会話をする夫婦ではなかったので、大きな学びがあったときにお互い報告し合うという感じでした。日々だらだら話すよりも、ここぞという特別な話題に絞った方が刺激を与えやすく面白がられますよ。

もちろん毎日スカイプし合うご夫婦もいました。通信はよほどの途上国でなければ問題ないでしょう。

恋人との関係

付き合っている人と遠距離になることが心配な人もいますよね。タイプにもよると思いますが、一方だけが成長するとうまくいかないかもしれません。一方が留学するなら、もう一方もなにかしら同じ期間に達成するべき目標があるといいですね。特にプライドのある男性は多いですから、彼女が自分より何かの能力が伸びて帰ってくることを脅威に感じることもあるでしょう。

彼氏が頼りないと感じている方はそれもマネジメントです、しっかり彼の気持ちも理解して二人で話し合ってくださいね。

留学生の中でも韓国人の女の子は、彼氏が韓国にいる子が多かったですが、電話は欠かさずでしたし、100日記念などあらゆる記念日を祝って楽しくやっていました。遠距離だからこその特別なお祝いを計画したら、それはそれで良い思い出になりそうです。

親との関係

ご両親が留学に心配されることもありますよね。海外になじみのない方ではなおさらです。ただでさえテロが頻発しているので、留学先が安全な地域だなんて言い切れません。

3.の病院への説明と同様にして説得することに加え、留学後もきちんと連絡をして安心させてあげてください。恋人や夫以上に、心配する親には連絡をした方がいいと思います。

私の両親も多少心配しましたが、スカイプでホストファミリーも紹介し、いい人に囲まれているところをきちんと見てもらいました。クリスマスにはカードも送りましたが、珍しい贈り物に喜んでくれました。

様子を見ながら安心できる情報を伝えていけば、ご両親も少しずつ慣れてきっとあなたと一緒に楽しめるようになります

 

帰国後は、うちの夫は私の成長を喜ぶようによく話を聞いてくれました。恋人同士も夫婦も、変化がないとマンネリして相手に好意を持てなくなります。お互いに成長し続け刺激を与えることが円満の秘訣です。離れることを心配しないで、より魅力に磨きをかけることに注力する方が上手くいくものですよ。

 

よくある心配事にお答えしてきましたがいかがでしたか?

私の考えでは社会人(看護師)の留学はアリです。ただしやはりいい大人なので、反対される中を強行突破していくのはどうかなーと思います。適切なタイミングを待つことが必要かもしれませんし、きちんと調整できる力も身につけてほしいと思っていますよ。

次は留学の夢に一歩近づいたみなさんに、どのくらいの期間勉強すればどのくらい英語を習得できるものなのかというテーマで、留学期間を決める参考になるようにお伝えしていきたいと思います。

お楽しみに!

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