看護師国家試験、私はこうやって勉強しました。勉強方法より捉え方


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藤盛慶奈さん
椙山女学園大学 看護学部4年

今回インタビューさせてもらったのは、椙山女学園大学看護学部4年生の藤盛慶奈さん。慶奈さんは看護師国家試験を終えたばかり。国家試験の勉強方法や気持ちのコントロール方法、また、勉強を通して感じた苦労や楽しさなど、今のフレッシュな気持ちを聞いてみました。次に国試を受ける看護大学生のみなさん、ぜひ参考にしてくださいね。

インタビュアー
Nurse Very運営者 安江夏希(看護師)

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目次

1. 看護師になろうと思ったきっかけは何でしたか?

2. いつ頃から国家試験の勉強を始めましたか?

3. どんな勉強から始めましたか?

4. 心が折れそうだったことはありますか?

5. 国試の勉強をしていて楽しかったことはありますか?

6. 国試の前日〜当日はどんな気持ちでしたか?

7. 国試を終えた今の気持ちはどんなですか?

8. 次に国試を受ける後輩の皆さんにメッセージ

看護師になろうと思ったきっかけは何でしたか?

安江:とりあえず国試お疲れさま!今どんな気持ち?

慶奈:ありがとうございます。とにかく今は、終わったー!って感じです。自己採点してみたら、なんとか大丈夫そうなんで。

安江:必須問題が怖いよね。でもよかった!春からはいよいよ看護師だね。ところで慶奈ちゃんはどうして看護師になろうと思ったの?

慶奈:小学生のときに、貧しい人や子どもたちになにかできることをしたいなって思ったんですけど、でもその思いはちょっと頭の隅にあったくらいでした。で、高校生になって進路を考えた時に看護が気になってある病院の看護師体験に参加したんです。その時に働く看護師さんを見て、人と近い仕事だというところに惹かれて、それがきっかけで、私は人と話すのが好きだな、人が笑ってくれるとうれしいな、って改めて認識したら、小学生の頃に抱いた夢を思い出したんです。そこから看護の道に進むことを決めました。

安江:小学生のときから小さな灯火があったんだね。偶然のきっかけで昔の記憶が呼び覚まされることってあるよね。

いつ頃から国家試験の勉強を始めましたか?

安江:じゃあ本題に入るけど、国試の勉強はいつから始めた?

慶奈:私はちょっと早めに9月からです。先輩からは「余裕だよ〜、1ヶ月前から勉強し始めた人もいるし」って聞いたりもしたんですけど、優秀な子に比べて知識がないとわかっていたから、早めに取りかかりました。

どんな勉強から始めましたか?

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安江:9月からどんなスケジュールで勉強していったの?まず何から勉強した?

慶奈:一から解剖の勉強を始めました。問題集を解いてみて。

安江:解剖の勉強からのスタートは正解だったと思う?

慶奈:はい、全ての病気につながってくるのがよくわかったので正解だったと思います。

安江:解剖はどうやって勉強したの?

慶奈:まずレビューブックをひとつ買って問題を解きました。そのあと別の問題集を解いて、わからなかったところは本を見て、3周りやりました。それから、友達が違う問題集を持っていたので、交換してまた3周りやりました。

安江:!!3周りとはかなり頑張ったね。あちこちテキストに手を出すより、ひとつの問題集を完璧にするのは絶対大事だと思う。解剖が一通り終わったら次はどの分野に移った?

慶奈:次は病態です。よくある疾患をリストアップしてそれぞれ勉強して、問題集を解きました。でも小児・母性・薬学などは後回しにして冬になってからやりました。例えば小児の発達段階や、妊娠の過程とか、暗記するものは早めにやると忘れちゃうと思ったので。なかなか覚えれないものは別のノートに書き留めて、電車の中で見たりして記憶を補いました。

あと、社会保障関係のことも早めに勉強を始めました。結構国試にいっぱいでる科目なのでそれなりに力を入れました。

安江:国民衛生の動向って本に載ってるようなやつだね。私苦手だなー。眠くなっちゃいそう。

慶奈:そうなんです。初めはとにかく本を読んでたんですけど、読んでるだけだと実は全然頭に入ってなくて、問題集を解いてみてもわからなかったんです。だからやり方を変えて、図を書けるように努力しました。例えば、要介護認定はどういうステップを経てどこが認定してっていうようなフローがあるじゃないですか、あれを丸ごと覚えて書けるようにしました。

安江:すごい!フロー書けるんだ。訪問看護や福祉の分野は時代的に重要な分野だし、この勉強は今後絶対役に立つだろうね。

慶奈:あとは学校で受けた模試をしっかり見直しました。時間かかって大変でしたけど。

心が折れそうだったことはありますか?

安江:9月から勉強を始めてこれだけしっかりやってたら、途中で心が折れそうになることもあったんじゃない?

慶奈:まず模試で辛かったことがありました。何も勉強してない段階でまず模試を受けて、そこから勉強するとやっぱり次の模試は点数が上がって嬉しかったんですけど、その後、勉強すればするほど今度は問題を疑って変に迷うようになっちゃって、逆に成績が落ちたんです。あれはショックでした。やる気がなくなっちゃって。

安江:あーわかる。考え直して選択を変えた問題ほど間違ってることってあるよね。それはどうやって克服したの?

慶奈:「ここで負けたら終わりだ!」と思って、やる気が出なくてもとにかく1日ちゃんと勉強時間をとるようにしました。冬の時期は1日8時間やるって決めて、直前は10時間とか。9-12時、13-19時と大学で勉強して、家に帰ってさらに20-22時。とにかくリズムを崩さないように心がけました。

安江:!!かなりストイックだね。どうしよう、次に国試を受ける学生さんの参考になればと思って企画したんだけど、逆に心配させちゃうかも!

慶奈:実は春から就職させて頂くことになった東京大学病院に見学に行った時に、そこの看護師さんに言われたんです。「国試の勉強は受かるためじゃなくて本質からちゃんと勉強した方がいい。臨床に出てから全然違うから」って。それで火がついたんです。受かるための勉強ならこんなに時間をかけなくても受かるかもしれない。でもちゃんと勉強したいと思ったんです。

安江:いいこと言う先輩がいたね。国試に受かることが目的だったら続けられなかったかもしれないけど、慶奈ちゃんはちゃんと先を見据えることができたから頑張れたんだね。結構楽しかったんじゃない?

国試の勉強をしていて楽しかったことはありますか?

慶奈:本当に知識ゼロからの勉強だったので、問題が解けたときはうれしかったですね。あと初めて知った生体の不思議に感動することもありました。もしかしたら授業で習ってたことかもしれないけど!向上心につながりました。

安江:知らないことを知るって純粋に楽しいよね。

慶奈:あと、友達と一緒に勉強することも多かったんですけど、友達にレクチャーするのも楽しかったです。わかってもらえるとうれしくて。分担して教え合いました。

安江:ちなみに慶奈ちゃんは友達に何を教えたの?

慶奈:私は肝臓を担当しました。

安江:また難しいところ担当したね!

慶奈:私、肝胆膵を一番最初に勉強したんです。循環器や脳神経、呼吸器は見たくなかったんで。というより肝臓が好きで!勉強するうちに循環器の方がよかったと思ったりもしたんですけどね。

安江:肝臓好きなんだ。慶奈ちゃんにとって肝臓の魅力は何?

慶奈:肝臓って6/7切除しても再生するって知って、すご!と思ったんです。それから、全ての血管がつながってるからめっちゃ大事!っていうのも。あと…レバーが好きなんです笑 基本肉好きで!

安江:おもしろ!でも「好き」から入るのってすごく大事だと思う。壮行会はお肉屋さんにしようね!

国試の前日〜当日はどんな気持ちでしたか?

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安江:国試の前の日はどんなだった?

慶奈:前日は緊張して寝れなかったんです。大学受験も経験したけどそれとは全然違って、人生で一番緊張しました。早めに寝たんですけど、そしたら3時に目が覚めちゃって。その次は5時に目が覚めて、熟睡できず当日を迎えてしまい、怖すぎて涙が出てきました。知らない問題が出たらどうしようとか、すごいいろいろ考えました。

安江:そうだったんだね。そんな状態で当日大丈夫だった?

慶奈:配られた問題を見て「なにこれ!」って思いました。後から見直すと単純な問題なのに、あの時は妙に言い方が難しくしてあるように感じました。しかも試験中に倒れた子がいてさらに不安を煽られて焦りました。いつもの模試は早く終わって2回くらい見直しができるくらいだったんですけど、本番はなぜか時間がかかってしまい1回見直すのがやっとでした。

安江:すごいプレッシャーの中頑張ったね。どうやってその気持ちに対処したの?

慶奈:とにかく何回も「今までやってきたから大丈夫!」と心に言い聞かせました。友達からも同じように「やってきたから大丈夫」と励ましてもらい、なんとか乗り越えることができました。

国試を終えた今の気持ちはどんなですか?

安江:プレッシャーを乗り越えて国試を終えた今の気持ちはどんな感じ?

慶奈:自己採点して多分大丈夫とわかったらやっと解放されました。でも3/25の発表がない限り本当のやったー!はないかな?回答欄がずれてないかとか不安は残ります。でももうすぐ卒業旅行なんで、とにかく楽しんできます!

次に国試を受ける後輩の皆さんにメッセージ

安江:最後に、次に国試を受ける後輩の皆さんにメッセージをお願いします。

慶奈:私は本当に「国試の勉強は受かるためじゃなくて本質からちゃんと勉強した方がいい。臨床に出てから全然違うから」という就職先の先輩の言葉に助けられました。

国試の勉強はやってもやっても終わりがなくて、国試が終わった今も足りてないところはいっぱいあると感じているけど、終わりはないものなんだと思います。ほんの1~2ヶ月前から勉強し始めた人もいたし、受かることはそれほど難しいことではないです。どこに重点を置いて勉強するかが大事なんです。

勉強すればするほど楽しいと思えて、私にとっては決して嫌いな勉強ではありませんでした。全部の単元をまんべんなくやったし、一応の基礎はきちんとできたかなと自信を持つことができています。だからみなさんも、将来のために勉強してみてください。

安江:ありがとうございました!春から頑張って下さいね!