途上国で医療ボランティアをするときにテロや事件の危険から身を守る方法


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先日のバングラデシュでのテロでは7人の若い日本人が亡くなり、1人が負傷されたとのこと、とても残念でした。しかもJICAから業務委託された会社の方々で、バングラデシュの発展に貢献されていた最中の出来事。良いことをすれば報われるなんて定理はないことがはっきりと証明されたと感じています。

途上国で医療ボランティアをしたい、けど治安が心配という看護師のみなさんは、今回の事件を機により一層不安になられたことでしょう。でも記憶に新しい今ならいいのですが、人はすぐに忘れてしまいます。皆さんもすぐに忘れて旅立つ時が意外と早くやってくるかもしれません。

今回は、周りの日本人を見て私が考える、テロや事件の危険から見を守る方法をいくつか挙げてみます。

書いているのは私です。
NurseVery運営者 安江夏希

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事件に巻き込まれそうな危険タイプ診断

私はNPOジャパンハートの活動に参加し、ミャンマー、インドネシア、かつて無差別殺人の起きた東京秋葉原で活動をしてきました。幸い活動中に自分も仲間も危険な目に合うことはありませんでしたが、だからといって平気だよとは言いません。

さて皆さんにどうアドバイスしようかと思ったのですが、危険なシーンを挙げてもキリがないですし、そもそも予想が付かないのが事件事故です。今回テロが起きたバングラデシュのダッカは「普通に考えたら安全な場所」と発表されていたのが印象的でした。

なので事件ベースではなく、事件に巻き込まれそうなタイプの人ごとに解説してみたいと思います。自分自身、そして周りの人を想像しながら読んで下さい。今回はちょと感覚的に書いてしまいます。

天然無関心タイプ(の周りの人!?)

全くと言っていいほど危機管理に興味のないタイプの人がいます。うちの田舎では夏場は常に玄関を開けっ放しにしていて中が丸見え、下着姿のオバサンがうちわを扇いでいるというお宅がありましたが、そんな感じののんびりさんはやっぱり危険だなと思います。自分のやりたいことが全てで危険の予測をしようとしません。

ただこのタイプが厄介なのは、犯罪を呼び寄せる威力で周りの人を危険に巻き込みがちです。そして本人はというと案外危険からすり抜けてしまう。何か事件になってしまったら、事後処理をするのは周りのしっかりした人たち。

このようなタイプの人にアドバイスをしようとしても届かないので、周りの人が巻き込まれないように注意することです。ゆるいルールに誘われても乗らないこと。

団体観光客タイプ

私がしばらくぶりに海外から日本に戻った時に感じるのが、日本人の何とも言えないぬるさです。

まず空港では、危険から身を守る装備はしているけど、明らかに身に着けているものが華やかで脇が甘い感じの団体観光客。決して良い防犯グッズを持っているから安心できるわけではないのに、持っていることに安心して身を交わす行動が鈍そう。

横断歩道ですれ違う人たちは、とにかく装飾が多くてキラキラしていてこれもまたぬるい。ものに溢れて平和ボケしている、逃げる術を知らないな、そんな風に感じるのです。

途上国に出るときは、とにかく持ち物や身に付ける物を最小限に削ぎ落とすようにしましょう。盗まれないように…ではなく、盗むものはない、盗まれても困らないと感じさせるようにします。足元は現地で買った草履などを履いて、私は生きるために歩いているという力強さがにじむようにします。

運の悪い不器用タイプ

本人は注意しているつもりなのに、なぜか逃げ遅れてしまうようなタイプ。例えばみんなこっそり悪いことをしているのに、見つかって怒られるのはいつもあの子、というタイプが周りにいませんか?気をつけているのになぜか怒られる、捕まる、怪我をする。

こういうタイプの人は視野が狭いのだと思います。みんなに見えているものが見えずに、自分の目の前のこと、時間的に目先の事しか見えないのが問題です。

自分で直す具体性のある方法はないので、こういう人はお世話係を付けましょう。気が利くおせっかいな嫁タイプに協力を依頼して、よく物を見渡せる人がどのタイミングで何を見ているのかを学ぶのです。

人は人、自分は自分

どんな人でも明日からできる身を守る練習があります。それは「人は人、自分は自分」の精神です。私が過去に指摘されたのは「Noと言えない日本人」だということ。協調大国ニッポンでは、先生やリーダー、あるいは大多数の仲間からやろう!と言われたことはやってしまうのが良くない点です。

国際協力、ことに医療の現場では、目的が尊いからこそ危険を顧みず頑張ってしまうこともありがちです。でもそこで自分はNoだと思ったのなら、行動しなくてもいいのです。

去年、名古屋市の自宅のマンションで警報機が鳴り、程なくして消防車が数台マンションに横付けになる事態が起こりました。何事!?と思い夫と階段で1階まで降りたのですが、避難しようとしていたのは大家さんと私たちだけでした。他の住民はちらっと窓や玄関から様子を伺う人はいましたが、それだけです。大多数が行動しないなら自分も行動しない、ぬるい日本を実感しました。結局警報機の故障だったのですが。

みんなと違ってもいい!という精神を鍛えることは、何よりも予測不能な事件事故から身を守る手段です。

外務省 海外安全ホームページ

外務省は常に海外の安全情報を発表しています。

「外務省 海外安全ホームページ」http://www.anzen.mofa.go.jp/index.html

危険レベルを1〜4段階で色分けしてわかりやすく示しています。必ず渡航前には確認しましょう。私はレベル2以上なら絶対に行きません。

 

今回はちょっと感覚的に述べてきてしまったところはありますが、実際に途上国に出ていた者の目に、多くの日本人がどう写っているかが伝わりましたでしょうか?

絶対安全な場所なんてありませんが、危険さらされる確率は減らしたいですよね。できることは、そもそも危険な地域に行かないこと、身の回りを警戒すること、そしてNoと言う勇気を持つことです。