看護師の先輩は怖い?学生さんに知ってほしい先輩の未熟さ


ae1aa787c2fab45b48f9ebf243203513_m

来年から就職する学生さん、看護師の先輩が怖いのではないかと恐れていませんか?実習で怖い一面を垣間見た人は、嫌な人がいない病院・病棟に行きたいと思うことでしょう。

晴れて1年目の看護師になったときその思いはどうなるかというと…やっぱり予想通り怖いです!どこの職場でも怖い先輩は避けられません!

しかしその怖さを真に受けてほしくないという気持ちがあります。先輩の気持ちもよく知っておいてほしいのです。そうすれば、新人のあなたは直撃ダメージは受けないでしょうし、先輩も立派な先輩に成長することができるのです。

今回は、新人も、先輩も、先輩の先輩も経験してきた私に、先輩の気持ちを代弁させてください。

書いているのは私です。
NurseVery運営者 安江夏希

img_natsuki_icon

>プロフィール

「看護師 先輩 怖い」で検索すると、先輩のキツイ言葉まとめや、良い関係の作り方、先輩にかわいがられる後輩とは、などなどたくさんのページがヒットして、とにかくたくさんの書き込みにあふれています。

選び放題ですので、いくつか書き込みの中からピックアップして分析してみます。

サイトA:自分の目の前で悪口を言われた!

新人aさんの書き込み

“私が部屋に入ろうとした途端、次の日に一緒に組む予定の先輩が大声で「うわ、明日新人とだ!嫌だなー」って言ったんです。私がいることを知ってて言ってる!って気付いて、悔しいやら悲しいやら・・・。役立たずって言われた気がして、無力感に打ちのめされました”

悪口を陰で言う人は批判されますが、やっぱり悪口なら陰で言っていてほしいものですよね。この子の嫌な気持ち、お察しします!でも先輩の肩を少し持ってみます。

先輩には後輩指導できる余裕がない

この先輩は自分の仕事だけで精一杯のようですね。先輩は指導する後輩を持ったからといって指導だけに時間を使えるわけではありません。自分のいつもの仕事があって、そこに単純にプラスされるのです。看護の仕事なので新人を放っておくわけにもいかないので、余裕を持っていられるのは1日か、数時間か…というところが実際です。

新人指導は、初めて指導をする若手看護師が担当することも多いので、指導者としてまだ未熟な場合が多々あります。新人から見たら存在の大きな先輩なのですが、まだまだビビっているんです。新人と先輩、お互いが “上手くいかないな” と思いながら成長していくものなのです。

だからこのサイトに投稿した新人aさんは、「単純な役立たず」ではなく「先輩のSOSの気持ちに対して役立たず」だったのだと認識するべきです。先輩のSOSをちゃんと受け止めてあげてください。

相手の気持ちを理解できる人は仕事がデキる

仕事ができるようになる為にはどうすればよいか?と聞くと「勉強する」と答える人が多いですが、先輩が何を求めているかに注目するのも一つの方法です。

どうしてaさんの先輩は目の前で悪口を言うほどに追い込まれてしまったのでしょうか。aさんがどんな風に仕事をしてくれたら助かったのでしょうか。「患者さん第一」なんて考えはとりあえず置いておけばいいので、まずは先輩第一で進めてみてください。先輩の求めていることを探っていくとそれが必要な仕事につながっているはずです。

先輩に限らず、相手の気持ちを理解して行動できる人は大抵仕事ができる人です。これが学歴と関係なく仕事ができる人かできない人かの違いだと思います。

サイトB:先輩は笑顔がほとんどなく怖い

新人bさんの書き込み

“とにかく挨拶してもか細い声で返すかシカト。気に入ってる仲のいい人とはニコニコ笑いながら話すくせに私が用件があって話しかけるとあきらかにトーンを変える。”

笑わない人いますね。これでは聞きたいことも聞けないし、報告したいこともしにくいし大変危険です。bさんの心労お察しします!でもこれは先輩としての演じ方がまだわからないのかもしれません。

先輩はまだキャラ設定できていない

人はいつも素の自分でいるわけではないですよね。友達の前、師長さんの前、家族の前ではそれぞれ自分のキャラを使い分けているはずです。新人に対してだけ感じの悪い先輩は、後輩に対する自分のあるべき姿をまだ見つけられず、キャラ設定できかねているのでしょう。新しく現れた対象者なのですから。

先輩にも先輩がいる

そして、先輩にも先輩がいることをお忘れなく。新人さんからしてみたら目の前の指導者が一番怖い先輩ですが、その先輩にも新人指導ができているかと監視している先輩がいて、失敗していられないと常にプレッシャーを感じています。

だから自分が後輩に対してどのような態度をとっているかを気にしている可能性もあります。厳しい先輩がいるなら、新人と下手に仲良くつるむと自分の身が危険なのですね。

新人としてのあり方を考える

先日天皇陛下が「お気持ち」を述べられましたね。「天皇の望ましい在り方を模索してきました」と言われていたのが印象的でした。新人さんも、新人としての在り方を考えてみるといいでしょう。新人看護師としての自分の姿を客観視できているでしょうか。

bさんは先輩の姿をありえないと思っているように、先輩もbさんの姿を不快に思っている可能性があります。新人のあるべき姿は素の自分と違うかもしれませんが、多少演じることも必要でしょう。新人の自己主張を全て受け入れるほど周りの先輩が十分にアダルトであるとは限りません。

 

二つのストーリーから先輩の気持ちを代弁してみました。先輩にも弱みがあることを理解して、一緒に成長する気持ちで接してあげてほしいというのが私からのお願いです。

怒られた時は問題の本質を考えて

看護師になったら先輩から怒られることは当然ありますが、必ず問題の本質が何なのかをよく考えるようにして下さい。女性は元々感情的な生き物なので、女性の先輩は怒りが先走ってしまって問題を上手く伝えられない場合もあります。

新人さんはその感情を受け取るだけではいけません。なぜ怒るに至ったのか原因を突き止め、失敗を繰り返さないようにしていきましょう。

問題を分析したら引いて見る

問題を分析したら、その次は必ず引いて見て下さい。例えば幽体離脱してあなたと先輩のやり取りを天井から眺めるように。

あなたは強いストレスを受けた時どう反応しているでしょうか。どんな風に感情が動くか、どんな風に身体に変化が表れるかをよく見るのです。また、あなたが窮地に立たされた時、どんな人がどのように助けてくれているでしょうか。どのような行為を嬉しいと感じたでしょうか。

客観的に見ると自分をよく知ることができ、ストレスへの対処が上手になっていきます。他人に上手に助けを求めながら自分を上手くコントロールしていくことができるようになるでしょう。

ストレスにどう対処するかで、こなせる事象の量は確実に変わってきます。客観視した人としなかった人では、1年後、5年後、10年後でどんどん差が開いていくでしょう。そのことを今からよく知っておいてください。

 

就職したらどんな先輩や同期に出会うのでしょうか?大変なこともあると思いますが、きっと良い経験になります。頑張ってくださいね。