キリングフィールドでカンボジアの黒歴史を学ぶ


医療ボランティア団体NPOジャパンハートの企画、看護師スタディーツアーの観光で、カンボジアのキリングフィールドを見に行きました。名前の通りたくさんの人がポルポト政権の歪んだ考え方により殺された場所です。

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ポルポトさんは、単純に言えば平等な世の中を作りたかったのです。人々が都市部に集中することなく、階級の差がつくことなく、みんなで仲良く…という想いでした。ただそのやり方が上手じゃなかった。

地方に移住することを受け入れないなら殺す。学校の先生や技術者、研究者などいわゆる知識人は反勢力になるから殺す。しまいにはメガネかけてる人がいれば、コイツきっと頭いいぞ!とみなして殺す。どこまでほんとかわからないけど単純すぎるだろー。

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広い緑の敷地内にぽこぽこ穴があいていて、こういうところにゴロゴロと死体が捨てられていったようです。あんまり想像したくないですね、気持ち悪くなってきます。ポルポトの大虐殺が行われたのが1979年までのこと。私の生まれる3年前。そんなに昔じゃないのが怖いですね。

知識人ということは当然医者も含まれていましたので、虐殺の結果カンボジア国内の医者の数はたった42人になってしまいました。ふと思いつく近隣の総合病院の医師数よりも少ない状態ですね。この問題を解消するためにとりあえず医学生は1年で医学部を卒業させ、あとは現場で学ばせるという状況になってしまいました。

なぜカンボジアの医療レベルは日本に比べて遅れているのか、その理由がわかります。スタディーツアーの最初にキリングフィールドを見学できたのはよかったと思います。何のためにカンボジアに医療ボランティアに行くのか、自分は何をすべきなのか、歴史を学ぶことによって軸が明確になります。