学校のテストでは100点なんて目指さなくていい


みなさん学生のときは、真面目にテスト勉強しましたか?100点取れていましたか?高得点取れれば先生も親も褒めてくれたし、周りの友達もリスペクトしてくれたしいい気分だったので、私は素直に点数を取りに割と頑張った方です。でも本当に100点とることがいいことなのでしょうか?という出来事があったので、学生さんへというより、評価者の先生や親御さんにぜひシェアしたく書きます。

書いているのは私です。
NurseVery運営者 安江夏希

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学生のとき教えるのが上手だった先生

私はNPOジャパンハートで海外医療に携わった経験を活かし、いくつかの学校で国際看護の非常勤講師をしています。先日もテストを作成させていただき看護学生さんに受けてもらいました。

自分が学生のときを思い出してみると、教壇に立つのは授業に慣れている学校の先生だけでなく、臨床の医師や看護師、全く別の職種の方など様々でしたが、印象に残っているのは脳外科の先生でした。「頭蓋内圧亢進症状は、頭痛、嘔吐、意識障害です。この3つです。」と必ず押さえてほしい知識のみを教えてくれました。テストもその知識を問われました。その後臨床に出てからもこの知識だけはずっと残っていて、ここまで印象に残せるのってすごい!教えるのが上手な先生だったな〜とずっと覚えています。伝える内容のメリハリがすごかった。もちろん臨床での仕事ぶりも素晴らしく、みんなからは名前を様付けで呼ばれてるような人でした。

自分の専門分野の授業をしようとすると、あれもこれも伝えたくてつい話がもりもりになってしまいがちですが、結局3〜4年の学生生活の中の1コマの授業で覚えていられることってかなり限られるので、たくさんの知識をというより、大切なゆるぎない知識1つを伝えよう!と心がけてやっています。

どんなテストが役立つ?

ではテストはどうしたら学生さんの役に立つのかな?と考えてみて、私の場合は、テストに出しますよという雰囲気を匂わせて、押さえてほしい知識を授業の最後に伝えるようにしています。みんな必死でメモをしてくれます。国際看護は学ぶ幅が広いので、やみくもに教科書を読んでも大事なところが頭に残らないだろうと思いますので、脳外科の先生のマネをして、かなりポイントをしぼってお伝えしています。

これだけ言ったんだからみんな100点だよね〜と思いますが、採点してみるとがっかり。書けない学生さんは必ず数人いるんですよね。なんで〜?こんなにサービスしてるのに。メモしてたじゃんね、なんで覚えてこなかったの?とびっくりしちゃいます。でもそう感じてしまうのが実は危ないところ!

テストで点数とる目的は?

このエピソードをとある東大卒生に話したところ、「その子には100点取る必要がなかったんだろうね〜」とゆるっと言われました。

w(゚o゚*)w

取ろうと思えば100点なんて簡単に取れてしまう東大生は、100点にしがみつかないんだ!って驚きましたね。取りたくても取れない点数を必死で取ろうとしてきた自分とは違う!そんなこと考えたことなかった〜。

確かに、点数取らなくていい理由があったかもしれない。私は、テストに答えられなかった子=まじめに勉強してきてない学生だ、っていう風に、勤勉さを測ることしかできていなかったことに気づいちゃいました。その子にとっては、6割取れていれば再試にならず進級するという目的を達成できるからそれでよかったのかもしれない。残りの4割分勉強する時間を使って、何か他の重要なことをしていたかもしれない。そもそも、このテストで何点取ることを目指そうかなどと考えることができていたのならば、それはすごいことだと思う。テストで点数取る目的、自分の中で大事なこと、優先順位、そんなこと考えているならすごいじゃないか。私なんか馬鹿の一つ覚えでテストは点数取りに行くものとしか考えてなかったじゃないか。

もちろんそれは聞いてみないとわからないけど、もしかしたら本当に怠惰なだけで重要なときに集中する力のない子っていうこともあるけど、自分の考えの柔軟性が低かったことには危機感を覚えました。思考の狭い人にはなりたくないな〜と思います。危ない危ない。

 

明日テストを受ける学生さん、もう夜も遅いです、なんのために何点目指す必要がありますか?無駄に頑張りすぎないで早く寝ましょう。

お子さんが勉強しなくて悩んでるお父さんお母さん、もしかしたらお子さんの方が一枚上手で何か考えがあるのかもしれませんよ。

学校の先生も、学生さんの考えや行動をよく見て評価してあげてください。