お金と時間をかけずに続ける!看護師さん向け国内での英語学習方法


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今回も看護師さん向けに英語学習のお話を進めていきます。前回までは、留学して英語を学びたい看護師さんに向けて問題の解決方法を挙げました。英語を習得するには英語圏に行ってしまうことが一番早いと断言してきましたが、そうはいってもいろいろな状況で留学できない人もいるでしょう。

また、留学までしなくても気軽に学びたいと考えている人もいると思います。

・外国人の患者さんに当たることが度々あるから、少し話せるようになりたい!
・自分磨きとして英語が話せるようになりたい!
・言葉を心配せずに海外旅行を楽しみたい!

こういうのも立派な理由です。

そこで今回は国内でいつもどおり看護の仕事を続けながら、無理なく楽しく英語を学べる方法を伝授していきます。しかも、英会話スクールやウェブの英会話レッスンなど、お金をかけない方法です。あなたにはフィットするでしょうか?

書いているのは私です。
NurseVery運営者 安江夏希

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やってはいけないこと

TOEIC受験

まずやってはいけないことから挙げてしまいます。ひとつはTOEICの受験。

英語学習というと、すぐ知名度の高いTOEIC受験をひらめき、スコア取得に意気込む人は多いですよね。特に看護師は職業柄、反射的に資格や講習に飛びつきます。私はこの習性はあまりよくないなと思っています。本当に必要な時間と、かけるべきお金はどこなのか考えないといけません。

私も実は力試しのためとTOEICを受けたことがあるのですが「英語を話せるようになりたい」と願っている人に、TOEICは無駄が多いです。TOEICはビジネスで英語を必要としている人に向けたプログラムを組んでいるので、最初に挙げたような動機の看護師には無駄な単語が多すぎるし、ビジネスシーンを想定した会話問題も多いので英語以外に学ぶ部分が負担になってしまいます。

TOEICのスコアを提出する必要がある場合のみ受験すればよいです。

聞き流し学習

聞き流すだけ!と広告を打っているサービスをよくご存知と思いますが、これも注意したい学習法です。聞き流すだけでは絶対に話せるようになりません。

どこの人種よりもおとなしい日本人は、たとえリスニング力が上がったからといって話せるようにはなりません。特に患者さんの訴えをよく聞くようにトレーニングされている看護師は、相手の言っていることがわかってもすぐ聞き役に回ってしまうでしょう。

積極的に話しに行く学習をしないと「英語を話せる」ようにはなりません。

映画での学習がぜったい良い!2人の証言

では本題に入りますが、どうすればお金と時間をかけずに英語を話せるようになるのでしょうか。私は2人の証言を最も信用しています。

一人は以前お世話になった留学の仲介会社の担当者さん、「英会話スクールに行く必要はありません」とはっきり言い、そして「映画を英語字幕で見るといいですよ」と教えてくれました。

もう一人はアメリカ留学中に出会った語学学校の先生、カリスマ教師の彼女も「映画をサブタイトル付きで見ると良いですよ」と教えてくれました。(ちなみにサブタイトルは字幕のことですね。当時の私はそれもよくわかっていませんでした)

映画を見ることのメリットは、自然に近い会話を、字幕で補いながら聞けることです。が、それよりももっと単純に「学習を好きになれる」ことです。

何かの教材を聞けばもちろんネイティブの英語が聞けます。でも続けられないのは、単純に好きになれないからです。山ほどテキストはありますが、私の場合そのデザインや出てくるキャラクターを好きになれることはほとんどありません。楽しく学べることが最も大切な要素なのです。

安江の海外医療ドラマ学習実践法

そうは言っても私は海外の映画がどうしても好きになれません。ただ撃ちあってうるさいだけ。映画学習が良いと聞いてもなかなかやる気にはなれませんでした。また、2時間というのもネックな点です。2時間取られると思うとちょっと長すぎると感じますよね。

それで思いついた代替案が、海外の医療ドラマです。看護師なら、日本の医療ドラマは雑で嫌いでも、海外の医療ドラマなら好きになれるのではないですか?そして調度良い1話40〜50分。結局面白くて2話続けて見てしまうこともあるのですが、この気軽さも重要なポイントです。私が選んだのはDr.HOUSE。早速紹介していきましょう。

Dr.HOUSEの魅力

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出典 http://www.hulu.jp/house

主人公の医師ハウスは世界的に有名な診断医ですがかなりの偏屈キャラ。口癖は「患者は嘘をつく」どうせ本人に問診してもやましいことがあれば嘘をつくので診断の邪魔になるだけ、だから患者には基本的に会いません。診断を下す=謎を解くためには非倫理的な手段も厭わないのでチームの若手医師は振り回されて大変ですが、その大胆な手法が見どころです。

語学で役に立つので紹介するのですが、それだけでなく、医療者としてこのドラマを見る場合、診断という医療の考え方の根本を教えてくれる点も面白さです。最近の看護師はマニュアルの中で仕事をしていますよね。指示通り正確に実施する能力ばかり上がっていないでしょうか。もっと根本的な、考えがあってその行為をする、ということに気付かされますよ。

1.まずは1話見る

では学習方法ですが、夕食を食べながらでもまずは気楽に見ましょう。そして、気になる医療シーンや日常生活シーンに注目しておきます。

2.気になるシーンを英語サブタイトル付きで見る

次に、気になったシーンの部分だけ、英語のサブタイトルを出して、どのように言っているのかしっかり見てメモします。

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出典 http://www.hulu.jp/house

3.書き留めたメモを記憶する

書き溜めたメモは定期的に見て記憶しましょう。単語帳の要領で結構です。手のひらサイズのメモ帳を用意し、1ページ目に日本語で1文を書き、次のページに英語で書く、このくらいのラフさが続けやすいコツです。

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☆続けるコツ

1)1日1話だけ見る

大事なポイントは欲張らないこと。もし選んだ海外医療ドラマが気に入ったら、次も見たいと思うようになるでしょう。そうなったら、その楽しみを明日への意欲につなげるために、おいしいところで終えておきます。1日1話を見るだけで十分です。

2)1話の中で選ぶシーンは2〜3箇所

大事なポイントは欲張らないこと。看護師さんはみんな勤勉。そんな私たちが楽しく続けるためには、頑張らないことです。選ぶシーンは2〜3箇所にとどめ、学習時間は短くすることを心がけましょう。

3)1シーンのなかで選ぶ会話は1文のみ

もう一度言います。大事なポイントは欲張らないこと。気になる会話があったら、必ず短い1文のみぬきとってメモしましょう。単語一つだけでもいいです、相槌一つだけでもいいです。長い文章を抜き出してもどうせ使えないので楽しくありません。

イングリッシュカフェで実践しよう

さて、使える言葉がストックできてきたら、ここからが大事です。実際に外国の方と話してみましょう。私がおすすめしたいのはイングリッシュカフェ。お茶を頼んでカウンターの向こうにいる外国のお店の方と話すことです。

●第1回目は、相槌が打てることを目標にします。それだけでかなり満足感を得られるはずです。

例えば、スゴイね「Grate!」、あー分かる「I see」、え何?「What?」という感じですね。

●第2回目は、相手の言うことを言い直してみましょう。看護師なら得意なはずです。「あなたはそう思うんですね」「あなたはコーヒーが好きなんですね」自分から発した言葉ではありませんが、かなり会話ができた満足感を得られるはずです。

例えば「I like coffee」と言われたら「Oh, you like coffee!」という感じですね。

●第3回目は、最近のトピックなどを用意して自分から話すようにしてみましょう。

イングリッシュカフェでは、店員さんだからといってお客様に気遣って話してくれるわけではありません。結構自然体ですので、という意味は、こちらが話し切るのを待ってくれたりはしません。

だからこそ良いと思っていて、自分から前に出て行かないと完全に飲み込まれるという体験もするべきでしょう。英語を話せるようになるためには絶対に必要な経験です。

私のお気に入りのイングリッシュカフェを一つ紹介しておくと、My English Roomです。名古屋栄の、ロフト近くのユニクロが入っているのと同じビルです。

URL:http://www.myenglishroom.jp/

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HPより引用

以上が、私が考えるお金と時間をかけずに効率よく学習する方法です。忙しい看護師さんでも、いつも通り仕事をしながら、家に帰って少しだけ、休日に少しだけの学習で、きちんと英語を話せるようになるでしょう。

上手く行った人はぜひご連絡くださいね。